八木山地区まちづくり研究会とは?

八木山地区まちづくり研究会とは?

2015年12月8日の地下鉄東西線開通の様子

 八木山地区まちづくり研究会とは、2015年の仙台市地下鉄東西線の開通にさかのぼること10年、2005年9月に八木山連合町内会、八木山南連合町内会、西多賀連合町内会と関係地域団体、企業、仙台市や太白区の関連部署によって、地下鉄八木山動物公園駅のまちづくりを目指して結成された官民一体の組織です。地下鉄開通後も、八木山動物公園駅を中心とするまちづくりや自然を生かした観光コースなどを整備すべく活動を続けています。

地下鉄東西線関連八木山地区まちづくり研究会設立趣意書

 八木山地区は、北側の青葉山を背景に、仙台平野や太平洋を一望できる眺望、ケヤキ並木や松並木の街路樹等を有し、緑豊かな落ち着きのある住環境を形成しております。加えて、周辺には、八木山動物公園、八木山ベニーランドと言ったレクリエーション施設や、東北工業大学や仙台赤十字病院、東北郵政研修所等、市内外から多くの人々が集まり、利用する施設が立地しております。
 また、当地区は仙台市の中でも早いペースで高齢化が進展している地区の一つであり、加えて少子化の進展もみられる状況にあります。
 このような地区の現状において、当地区の特性である坂の多いなどの地区特有の環境を踏まえた安全で便利な駅アクセスの確保など、今後整備される地下鉄東西線の整備効果を活かすためにも、全ての人々が生活しやすい環境づくりが求められています。
 また、東西線開通後に市街化の進むことが予想される中で、従来の緑豊かな環境を生かしながら、さらに積極的な潤いと落ち着きのある環境調和型のまちづくりを目指すとともに、高齢者などが安心して住み続けられる環境づくりや地区の次世代を担う子供たちを育てやすい環境づくりも重要となっております。
 このようなことから、今般、地下鉄東西線の整備を機会に、八木山及びその周辺地区で学び、働き、暮らしている人々の参加のもと、快適で安心して活動できる魅力あるまちづくりを進めていくことを目的として、地下鉄東西線関連八木山まちづくり研究会を設立するものであります。
 つきましては、上記設立趣旨にご理解とご賛同のうえ、当研究会へ参加協力をお願い申し上げます。

平成17年8月26日
                (発起人)
                   八木山連合町内会    会長 佐藤 誠  印
                   八木山南連合町内会   会長 斎藤亮二  印
                   西多賀地区町内会連合会 会長 佐藤興一  印

寄稿(まちづくり研究会発足の経緯)

「地下鉄東西線関連八木山まちづくり研究会」の発足

 高速鉄道時代に入り、地下鉄南北線が開通する中、太白区の複数の連合町内会で南西地区も誘致推進しようと、昭和63(1988)年「モノレール期成同盟会」を結成。その後機種がモノレールからリニアモーターカーに変わったことから、平成12(2000)年「地下鉄東西線南西ルート建設促進期成同盟会」となって、推進活動を継続した。
 その3年後に国の事業認可がおり、仙台市と地域が市民協働で一緒にまちづくりを進めようという機運により、平成17(2005)年9月に「まちづくり研究会」(以下略称、初代会長佐藤誠)が誕生した。2年にわたって「まちづくり検討会」を開いて、入念に準備を進めてのことだった。
 小中学生も入れたワークショップなどを通じて、八木山のいいところ、悪いところ、いらないもの、足りないものを見つめなおし、地域の課題や期待をつめていった。

ABCの3部会を設置しテーマごとに推進

 翌年から4グループで「住宅地」「幹線道路」「自然環境・公共施設」をテーマに検討を重ね、まちづくりの方針、まちづくり計画の策定へと進んでいった。これはのちに「東西線沿線まちづくりの基本方針」(平成21年仙台市)の一部としてまとめられている。
 東西線工事、動物公園駅周辺の工事が進んでいることもあり、年4回の例会ごとに進行の報告を受けて意見交換をし、さらに平成21(2009)年よりABCの3部会を設置し、とりくむ項目10項目をそれぞれに分担して、さらに具体的に推進していくこととした。

 A部会「新たな駅前地区の顔づくり」部会
 B部会「地域活動を活かしたコミュニティ機能強化」部会
 C部会「豊かな自然の活用と保全・地域のバス交通の再編成」部会

 A部会では、東北工業大学やデザイン事務所の協力をえて、新設される駐車場ビルの屋上広場の提案をし、また駅前広場のモニュメントについても時計塔とそのデザインについても提案実現した。また部会で申請して日本地下鉄協会より動物公園駅が標高日本一の地下鉄駅との認定をもらい、そのサインを市とともに2ケ所設置した。
 B部会では、駅に隣接し地域の中核となる八木山市民センターが整備拡充されることから、その内容の検討と提案を進めた。
 C部会では、2つのテーマのうちバスの再編について、新路線の提案や本数見直しについて交通局と検討を進めた。もう一つの八木山のハイキングコースの整備について、実際に踏査して太白区公園課とすり合わせし、要望を重ねて整備を具体化していった。ほぼ10年に及ぶとりくみを経て、いよいよ開業を迎えることになったのである。

平成27年12月6日東西線開業イベント

 開業を盛り上げるために、ABの2部会合同でイベントを企画し、動物公園・ベニーランド・東北放送も加わって「八木山ウィンターフェスティバル」を開くことになった。2部会では、荒井駅からの一番電車をお出迎えするために、暗いうちから甘酒や玉コンを用意して振る舞いをし、行列ができてなくなるほどの盛況だった。屋上広場の愛称表彰式と除幕、夢色音楽隊の演奏、連凧あげなどと続いた。
 動物公園・ベニーランドでも入園無料でいろんな催しがあり、それぞれ1.3万人・1万人の入場者があり、全体で13駅の中でも最も盛り上がりを見せた。

 そして開業後のまちづくりへまちづくりは開業で終わるものではなく、新しいステージに入る始まりとなる。(八木山ベニーランド社長・八木充幸)